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新年のご挨拶(西暦2008年)

皆様、新年いかがお過ごしでしょうか。

旧年中のアクセスは、カウンタによりますと、約20万件ほど、昨年比で約2割減少した計算です。開設以来、右肩上がりに増えてきたアクセスですが、一昨年あたりから、減少傾向が見え始めました。SI化が順調に進み、当ページの需要が減ったということであれば結構なことなのですが、当方の至らぬ点のなせる業ではないかといささか気がかりではあります。何かご不満な点などありましたら、ぜひご要望をお寄せください。

私事で恐縮ですが、昨年、祖母と叔父とが相次いで亡くなりました。少々思うところありまして、はばかりながら、今回は叔父の話をさせていただきたいと思います。
叔父は、学生時代に米国に留学し、その後、外資系の会社を転々とし、住まいも日本、米国、英国と転々としました。転々とするとはいっても、むこうのほうでは珍しいことではないそうで、最後は日本で、自分の会社を立ち上げました。どういう会社かというと、電話越しに通訳を提供する「電話通訳」というサービスを提供する会社です。叔父は米国では長い歴史を持つこのサービスを、日本で普及させたいと思い、向こうの会社と契約を結んでこの会社をはじめたと聞きます。
叔父の会社は、分類上はいわゆるIT系に入るようです。ですが、今華やかな、コンピューターネットワークを駆使するIT系の会社とは少々毛色が違うようです。以前マスコミを騒がせ、一時は憧れの的となったIT系の社長などとはちがい、本当に地味に、地道に事業に励んでいました。やっと会社が軌道に乗り、これからというところでこの世を去った叔父の胸中は察するしかありません。ただ、叔父は死んでも、叔父の立ち上げた会社は、今もサービスの提供を続け、人々の間に立ちはだかる、言葉の壁を乗り越えるための梯子を架けつづけています。
あえて申しますが、私は、そんな叔父を身内として誇りに思います。いうまでもなく、叔父は英語に堪能です。叔父自身は、こういうサービスを必要とする人間ではありません。ですが、長い海外生活等で、海を渡ることの心細さ、海外で暮らすということの厳しさを身を以って知っていたのではないでしょうか。旅行者や留学生、それより何より、その身を誰よりも案じる、親御さんなどお身内のかたがたの力になりたいということを、私の前で父に熱く語っていた姿を、昨日のことのように思い出します。

「会社」というものが何のために存在するのか、と問えば、「利益をあげること」と答える人は珍しくないでしょう。いや、そう答えない人のほうが珍しいかもしれません。
いうまでもなく、会社というのは利益を出さなければ存続できません。ですが、本当に利益を出すことだけが会社の存在意義でしょうか。人はゴハンを食べなければ生きては行けませんが、ゴハンを食べることが、人の生きる「目的」でしょうか。いいえ、ゴハンは人が生きるための「手段」に過ぎないはずです。会社とは、本当は何のために存在するのか、多くの人が手段と目的を取り違えているのではないかと、叔父の死を前に、私は思うのです。

2007年を表す漢字は、ダントツで「偽」と決まったそうです。豚肉を牛肉と偽り、ブロイラーを銘柄鳥と偽って売る人がいるかと思えば、それを糾すべきマスコミのほうも、誤った証言や偽のデータを用いて番組を放送していたといい、果ては警察官が霊感商法にかかわっていたというニュースで締めくくられたこの年、叔父はこの世を去りました。思えば、それ自体が非常に象徴的なことのようにも思います。

私自身、このページが「本物か」と問われれば、正直なところ、まだまだ胸を張って答えることはできません。もう何年も積み残した宿題もあり、まことにお恥ずかしい限りです。今一度、原点に立ち返り、叔父の万分の一でも、皆様のお役に立てればと思いを新たにしております。今後とも倍旧のお引き立てを賜りますよう、何卒お願い申し上げます。

2008.1.3

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