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新年のご挨拶(西暦2010年)

すでに1月も終わりに近づいていて、今更ではございますが、年頭のご挨拶を申し上げます。

いいわけがましいのですが、新年を迎える前から、今年は何を書こうかといろいろと考えてはいたものの、どうにも考えがまとまらず、ずるずると引きずっていたところに、ご存じガンブラーウィルス騒ぎが持ち上がりました。なれない対策に頭を痛めていたら、いつのまにやらこんな時期、情けないやら恥ずかしいやらです。
一応、いろいろなチェックはかけてみましたが、今のところ感染あるいはサイト改ざんの兆候はないようで、とりあえずは安心しました。皮肉なことですが、このサイトがあまり更新を行っていないことや、CGI(Perl)とHTTP2.0という、ごく古い技術により作成されていることが、被害にあいにくい状況を作っているようです。(つまり、JAVAスクリプトを無効にしても、このサイトは使用できます。)それで、少々考えてしまいました。

先日、ネットで調べ物をしていたら、桜美林大学の潮木先生という方が、「大学改革の現段階」というタイトルで、興味深いお話をされていました。

もともと「改革」とは「革」(かわ)を改めるという意味である。このことを考えると、「改革」という言葉には、かなり皮肉な意味が込められているような気がしてくる。外側だけが変わって、中側は何も変わらないこと。「改革」とはそう読めてくる。

(http://www2.obirin.ac.jp/~ushiogi/pub03/keikakugyousei.html)

先生はこのような喩えとともに、大学改革において「改革」そのものが自己目的化していると指摘されます。いろいろと頷くところのあるお話ですが、これ読んで、昨年末から自分の感じていた、私の「まとまらない思い」が見えたような気がいたしました。
昨今、あらゆる分野で「変革」がもてはやされています。そしてそれを望んでいる人が多いようです。しかし、「どうやって」「なんのために」は置いておいて、とにかく「変える」ことそのものが目的になってしまってはいないでしょうか。
個人的には、何一つ使いやすくなったと思えないのに、とりあえず見た目は変わる「バージョンアップ」を繰り返し、前バージョンを「サポート終了」と称して切り捨ててゆく少なからぬソフトウェアベンダーに、ずっと悩まされているし、自分は使った覚えはないけど便利なはずの「機能」の欠陥をついた「悪用」の対策に手間をとられるし、「画期的な..」とかなんとかおっしゃるので説明を聞いてみると、なんだ、名前を変えただけじゃないか、と言いたくなるようなものが山のよう。昨年の政権交代も、なにしろ「変革」を求めた国民の意思に違いありませんが、早くも内閣支持率は不支持が支持を逆転したようです。「改革」「変革」と、言葉ばかり踊り、変革のための変革に、世の中が渦を巻き始めたたようで、なんだかめまいを覚えました。

ふと気がつくと、目の前に二人の子どもがいます。長女と長男、それぞれ5歳と1歳。突然、その違いの大きさに驚きました。
あたりまえですが、1歳と5歳では、まるで違う生き物ぐらいに違います。でも、長女も4年前はこっちと大して変わらなかった。でも、毎日接していると、その変化はほとんどわかりません。でも、子どもは日々成長し、その積み重ねがこれほどの差になる、「成長」って、すごいなぁ、と、当たり前のことになんだか感心してしまいました。

それで私は思うのです。とかく、人は劇的な変化を求めます。「変革」「改革」の甘美な響きに惹かれ、ついついそれになびいてしまうこともあるかもしれません。外見にだけ注目すれば、確かに変化もできるのでしょう。でも、人間なんてそうそう変われるもんじゃない。革を改めて、中身が変わらないことが、むしろ多数とも思えます。
本当に物事を解決し、変えてゆくためには、むしろ目に見えないくらいのわずかな「成長」を、積み重ねてゆくほかに、道はないのではないでしょうか。そしてそれは、子育てと同じように日々の小さな苦労の積み重ねでしか、実現できないのではないか、と。

とか何とか申しましても、当サイトの更新や改善が全く進んでいないことのいいわけにはなりませんね(笑)。今年もほとんど進まないかもしれませんが、ご指摘があればできるだけ速やかに対応してゆきたいと思います。
なお、旧年中のトップページのアクセス数は、カウンタによりますと、約16万件ほどで、昨年と同等程度でした。改めて皆様のご愛顧に御礼申し上げ、本年も変わらずお引き立てのほどお願いして、ご挨拶とさせていただきます。

2010.1.25

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